ここ数年、日本は外国人旅行客の誘致に力を入れており、その甲斐もあって毎年のように訪日外国人客数は過去最高を更新しています。特に観光地でなくても、外国人旅行者の姿を見える機会は増えました。外国人旅行客と一口に言っても、出身国は様々。国によって休暇シーズン等は違うため、訪日客数が増える季節も当然異なるはずです。今日は、出身国ごとに1年のうちどの時期に訪日客数が多くなるのか、調べてみました。

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使用したのは、日本政府観光局(JNTO)が公表している「訪日外客数統計」。外国人旅行客に関する様々な統計が公表されています。ここで、2015年1~12月の各国訪日客数を調べました。(1~10月は暫定値、11,12月は推計値とのこと。)その上で、グラフで見やすくするため1月の値を100として指数に直しています。


まずはアジア。訪日客数が多く、かつ季節傾向に特徴がありそうな、韓国・中国・タイ・インドを対象としました。
各国季節ごとの訪日客数_15494_image001
中国(橙線)は訪日客数1位。テレビなどの報道を通じ、「爆買い」がすっかりお馴染みになりました。旧正月(2015年は2月)の訪日客に注目が行きがちですが、2015年はその後夏場までどんどん訪日客数が上昇。季節傾向というよりは経済の勢いによるものかもしれません。経済減速が指摘されて久しいですが、訪日客数に今後どう影響するか注目です。

韓国(水色線)は中国に次ぐ訪日客数2位。8月、12月がピークとなっており逆に6月が底となっています。日本と同じく夏休み、年末年始に旅行する傾向があるのでしょうか。夏休みは日本と同じく8月中旬が多いようです。

タイ(緑線)は4月がピーク。4月13~15日がソンクラーン(タイ正月)であり、この時期を利用して旅行に出掛ける人も多いようです。

インド(黄線)
からの訪日客数は5月がピーク。特にイベント・祝日は見つけられませんでした。

続いては欧米・オセアニア。地域・文化をばらすため、英国、フランス、米国、豪州を対象としました。
各国季節ごとの訪日客数_15494_image002
ヨーロッパの
英国(水色線)フランス(橙線)はほぼ同じ傾向。4月、7月、10月に多くの訪日客数がありました。ヨーロッパは休暇が取りやすいイメージがありますが、「バカンス」(フランス語)で日本に来る人も多いのでしょうか。

アメリカ(紺線)は季節変動は比較的緩く、安定しているように見えます。休暇ではなくビジネスでの訪日が多いのかもしれません。

オーストラリア(緑線)は冬場に増える特徴的な形をしています。この10年ほどの間にニセコなどのスキー場が極上のパウダースノーであるとして、特にオーストラリアのスキーヤーを惹きつけており、それが訪日客数の傾向にも表れているようです。


以上のように、一口に外国人訪日客といっても各国ごとに訪日が多くなるシーズンは違うようです。